「氣を感じる場所へ」

朝の空気はまだひんやりしていて、
鼻からスッと吸い込んだ空氣が、頭の中まで澄んでいく。
いつものように、祝詞と般若心経を唱え、
「今日もよろしく」と、天と地に声をかけた。

この日、向かったのは――とある小さな神社。
通りすがりの車からは見えないような場所に、
ひっそりと鎮座している。

でも、こういう“氣の場”って、龍神がよく導いてくれる。
まるで紅龍が「ここに寄っていきなよ」と肩をトンと押したように、
気づけばハンドルを切っていた。

石段を一歩ずつ登るたび、
日常のざわつきが、少しずつ剥がれていく。
社の前に立つと、不思議と涙が滲んでくる時がある。
なぜだか分からないけど、心の奥が“ただいま”って言ってる感じ。

「今日も、この地とご縁をいただきありがとうございます」

手を合わせてから、ゆっくりと深呼吸を一つ。
見上げた空に、光がスッと差し込んで、
境内の榊の葉がゆらりと揺れた。

氣って、見えないけど確かにある。
建築の現場も、福祉の仕事も、
どんな日常も、氣の流れ一つでぜんぶが変わる。

だからこそ、僕らの仕事は「整える」ことだと思う。
家を整え、人を整え、そして自分も整えていく。

帰り道、
ふと立ち寄った道の駅で買った、ちいさな和菓子。
緑茶を入れて一息つきながら、
「今日も、良い日だったな」と思う。

龍神が運んでくれる“ご縁”は、
豪華なものじゃなくて、こんな何気ない瞬間にこそ宿ってる。

明日は、どこへ導かれるだろう。