「動く氣と、写真の中の静けさ」

朝5時。目覚ましが鳴る前に、うっすらと目が覚めた。
こういう日は、大体“氣”が動いている日だとわかる。

会社へと向かう車内から、ふと東の空を見ると、淡くオレンジが差し込んでいた。
遠くの山々の稜線に、やさしいグラデーション。
こういう瞬間は、なぜか心が整う。

会社に着いたのは6時ごろ。
誰もいないオフィスに一番乗りで灯りを点け、
神棚に向かって小さく一礼。

紅龍(こうりゅう)がふわりと頭上で舞うような気配。

「今日は“気づき”がある日になりそうだな」

毎朝の祝詞と般若心経を奏上し、
龍神様、ご先祖様に感謝を捧げるこの時間が、僕にとって一日の起点だ。


そういえば、最近は少し写真が撮れていない。
カメラのシャッターを押すあの「間」には、
呼吸と直感がぴたりと重なる一瞬がある。

“見よう”として撮る写真じゃなくて、
“見えたから撮る”写真が好きだ。



午前中は会議資料のチェックや書類の整理。
ふと手が止まり、過去の山登りの写真を見返していた。

あの時の空気感、風の匂い。
五感に染み込んだ体験は、どんなマニュアルより深い学びをくれる。

山登りも経営も、いきなり山頂は目指せない。
一歩一歩、足場を確認しながら、
景色の変化を楽しむことが大事なんだ。


昼休みにオフィス周辺の田園を歩く。
ジョギングとまではいかないが、
風を感じながら足を動かすと、自然と心がほどけていく。

「動くことで“氣”が整う」ってのは、身体の真理かもしれない。


午後は友人から届いたメールを読みながら、
「ご縁って面白いな」と感じた。

無理に会いにいかなくても、
自然と繋がる人とは繋がっていく。
無理に説得しなくても、響く人には自然と届いている。


一日を終えて、また静かに祝詞を奏上。

「今日も気づきを、ありがとうございました」

神事も経営も、生き方そのもの。
ちゃんと“氣”を感じて、整えて、受け取っていく。
その繰り返しが、きっと未来をつくっていく。


さて、次はどこへ行こうか。
久しぶりに山へ登って、カメラと一緒に“今”を撮りに行くのもいいかもしれない。