その日は、なんとなく「行かなきゃ」という感覚が朝からあった。
スケジュールに空きができたわけでもない。
でも、身体が勝手に動いていた。
そういう時、僕は逆らわないようにしている。
向かったのは、いつもはあまり立ち寄らない神社。
初めて参拝したのは10年以上前。
でもなぜか、この日は「ここだ」と思った。
鳥居をくぐると、
空気がガラッと変わった。
風が一瞬止まったかと思えば、
木々の葉が優しく揺れた。
境内の空氣は澄んでいて、
頭の中のもやもやが一気にクリアになっていく。
手を合わせながら、
「この先、どう進めばいいかヒントがほしい」と心で伝えた。
帰り道、ふと通った道沿いの小さな花屋で、
目に飛び込んできたのは「龍神ブレンド」と書かれたアロマスプレー。
…そんな名前、今まで一度も見たことがなかった。
まるで、答えがそこに“用意されていた”みたいだった。
偶然って、ほんとうはないのかもしれない。
何かに導かれて、
誰かに背中を押されて、
すべての出来事が、線でつながっていく。
会社経営も、出会いも、氣づきも、全部。
この日もまた、
「やっぱり僕は一人じゃない」と感じられた日だった。
紅龍が、そっと僕の肩をポンと押してくれたような、
そんな小さな奇跡に、心からのありがとうを伝える。
帰宅してから、神棚の前で手を合わせた。
「今日の導き、しかと受け取りました」
そして静かに、祝詞を唱える。
また一つ、自分の中の“点”がつながったような氣がした。